桃木至朗(編)『海域アジア史研究入門』

出版情報

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編集桃木至朗
編集委員桃木至朗、山内晋次、藤田加代子、蓮田隆志
出版社岩波書店
出版年2008
ISBN978-4-00-022484-0
価格¥2800(2008年)

内容

海のアジアについて、史学雑誌の「回顧と展望」を質量共にもっと深いレベルに落とし込んだタイプの概説書。

時系列に著者を割り振り、そこで割り振れなかったテーマについては個別に章を割いている構成で、著者らは主立ったテーマに沿って代表的な資料や業績を紹介つつ、解明と未解明のテーマを整理し、2008年時点でいかなる展望が描けるかを提示している。

目次

  1. 総説[桃木至朗/山内晋次/藤田加代子/蓮田隆志]
  2. 第1篇 通時的パースペクティブ
    1. 第I部 中世〈9 世紀―14 世紀前半〉
      1. 第1章 中国人の海上進出と海上帝国としての中国[榎本渉]
      2. 第2章 モンゴル帝国と海域アジア[四日市康博]
      3. 第3章 宋元代の海域東南アジア[深見純生]
      4. 第4章 日本列島と海域世界[山内晋次]
    2. 近世前期〈14世紀後半―17世紀初頭〉
      1. 第5章 明朝の国際システムと海域世界[岡本弘道]
      2. 第6章 琉球王国の形成と展開[上里隆史]
      3. 第7章 日明の外交と貿易[伊藤幸司]
      4. 第8章 日朝多元関係の展開[関周一]
      5. 第9章 倭寇論のゆくえ[橋本雄/米谷均]
      6. 第10章 「交易の時代」の東・東南アジア[中島楽章、桃木至朗]
      7. 第11章 ヨーロッパ勢力の台頭と日本人のアジア進出[岡美穂子]
    3. 近世後期〈17世紀中葉―19世紀初頭〉
      1. 第12章 経済史から見た近世後期の海域アジア[藤田加代子]
      2. 第13章 近世後期東アジアの通交管理と国際秩序[渡辺美季/杉山清彦]
      3. 第14章 蝦夷地と琉球 ―― 近世日本の2つの口[谷本晃久/深澤秋人]
      4. 第15章 東南アジアの「プロト国民国家」形成[蓮田隆志]
      5. 第16章 18世紀の東南アジアと世界経済[太田淳]
      6. 第17章 近世から近代へ ―― 近世後期の世界システム[秋田茂]
  3. 第2篇 各論
    1. 第18章 海陸の互市貿易と国家 ―― 宋元時代を中心として[佐藤貴保/向正樹]
    2. 第19章 港市社会論 ―― 長崎と広州[川口洋平/村尾進]
    3. 第20章 貿易陶磁[坂井隆]
    4. 第21章 海産物交易 ―― 「竜涎香」をめぐって[真栄平房昭]
    5. 第22章 造船技術 ―― 列島の木造船,終焉期のけしき[出口晶子]
    6. 第23章 航海神 ―― 媽祖を中心とする東北アジアの神々[藤田明良]
    7. 第24章 漂流,漂流記,海難[劉序楓]
    8. 第25章 海域アジア史のための東アジア文献史料[渡辺佳成/飯岡直子]
  4. 和・中・韓文 文献目録
  5. 欧文 文献目録
  6. 編者あとがき
  7. 執筆者一覧

コメント

海に関係するテーマに興味のある人は必読。

簡単に内容を紹介していますが、執筆にものすごく手間暇がかかるタイプの本だと思います。

目次もCSSでコントロールし辛いタイプで、割り切ってタグ付けしました。

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2008/05/31 新規

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北川香子『カンボジア史再考』

出版情報

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著者北川香子
出版社連合出版
出版年2006
ISBN4-89772-210-1
価格¥2500(2006年)

内容

主な著述対象はポスト・アンコール期のカンボジアであるが、カンボジア史全体を捉え直すことを目的としている著作。問題点の提示、カンボジア史の地理的範囲設定から書き起こし、カンボジア史の主なトピックについて過去の史学史の状況などを解説した前半部分と、専門であるポスト・アンコール史の概要説明を行う後半部分に分かれた構成となっている。

セデスに代表される植民地史学が未だ残るカンボジア史で、状況整理と問題点の抽出を通して、その軛から脱却しようとする試み。

コメント

高校時代の授業で、カンボジアがいきなり現代史に再出現した時の違和感があったのですが、それを歴史学の問題として提示してくれた本です。

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2008/03/20 新規

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G. セデス『東南アジア文化史』

出版情報

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著者G. セデス
訳者山本智教
出版社大蔵出版
出版年1989
ISBN4-8043-1056-8
価格¥5000(2002年)

原著

Les états hindouisés d'Indochine et d'Indonésie, George Coedès, 1948

内容

フランス東洋学の大家として知られたジョルジュ・セデスの代表的著作の一つ。セデスの重要な業績である碑文研究や、当時の考古学の成果を取り入れて前近代の東南アジア史を概括した最初の文献である。

序文によると、元々は別の歴史叢書でのインド史パートを補完すべく執筆されたという。また、完全な一般向けの書籍ではなく、関連諸分野の研究者を購読者層として書かれているため、当時の議論を積極的に紹介しているのも特徴。

残念なことに、一般向けに翻訳されるにあたって、注釈が全て削られてしまっている。

コメント

インド化された文化圏の通史のはずが、邦題で「文化史」となったためタイトルと内容に齟齬がある本です。

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2007/02/03 新規作成

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桜井由躬雄『前近代の東南アジア』

出版情報

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著者桜井由躬雄
発行放送大学教育振興会
発売日本放送出版協会
出版年2006
ISBN4-945-30646-6
価格¥3000(2006年)

内容

放送大学のテキストとして執筆された、植民地期あたりまでの前近代東南アジア概説。同じ著者による『東南アジアの歴史』と同じく、人物史を廃した描写が特徴であるが、近代以前にテーマを絞っている。

コメント

うっかり2冊買ってしまってどうしましょう?という本です‥‥。

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2007/01/12 新規作成

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Taylor, K. W. “The Birth of Vietnam”

出版情報

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著者Keith Weller Taylor
出版社University of California Press
出版年1983
ISBN0-520-07417-3

内容

ヴェトナム古代から独立にかけての研究書。ヴェトナム古代社会と漢の征服に始まる北属期がメインとなっており、“ヴェトナム”の形成に至る主要事件と社会背景について詳細に記述している。

ヴェトナム・西欧諸国・中国・日本各国の関連研究を使用している。その他、テーマからやや外れる話題(「徴姉妹の起義」と後世の文学作品について、など)についてもAppendixとして収録している。

コメント

ヴェトナム独立期までの定番概説書です。実はまだとばし読み状態で、読み込んでいません。精進せねばなぁ。

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2008/01/05 更新

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2007/04/29 更新

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古代オリエント博物館『中国・南越王の至宝』

出版情報

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副題前漢時代 広州の王朝文化
発行古代オリエント博物館
出版年1996

内容

秦王朝末期から前漢の武帝時代に栄えた王国、南越の第二代王趙胡(趙眜)の墓から出土した遺物を中心にした展覧会のカタログ。

金印「文帝行璽」、絲縷玉衣や楽器などの、主だった出土品の写真とその出土状況・南越王国の概説などが半々の割合で収録されている。同時代の前漢墳墓との比較もなされている。

コメント

出土品の中でも、文帝行璽や絲縷玉衣と同レベルで生活感のある越式銅鼎や銅の生姜おろし金に興味があります。

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2008/01/05 更新

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2007/04/27 更新

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