末成道男(編)『ベトナム文化人類学文献解題』

出版情報

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編集代表末成道男
編集委員末成道男、矢野正隆、樫永真佐夫、中西裕二、宮澤千尋、芹澤知広、本多守、新江利彦、川上崇、大野美紀子
出版社風響社
出版年2009
ISBN978-4-89489-140-1
価格¥6000(2009年)

内容

ベトナムに関連する文化人類学、及びその関連諸分野での研究動向を概観し、2007年までの主要な業績を紹介した工具書である。

2002年~2005年年度の科研費補助金による研究課題「ベトナムに関する日本人類学研究の総括と現地への発信」(URI)の報告書をベースとして、ベトナム語訳の部分を割愛し、修正・加筆をおこなったもの。

文献調査・検索時の利便性を重視しており、相当数の論考に解題を付し、引用誌名、索引、民族名対照表を整備して掲載している。

目次

  1. 編者序文
  2. 凡例
  3. 第1部 研究史
    1. 第1章 国内における一般書の概説
    2. 第2章 家族・親族
      1. 第1節 北部の家族・親族
      2. 第2節 中部の家族・親族
      3. 第3節 南部の家族・親族
    3. 第3章 年齢
    4. 第4章 ジェンダー
    5. 第5章 物質文化
      1. 第1節 衣服
      2. 第2節 建築
      3. 第3節 考古
    6. 第6章 教育
      1. 第1節 ベトナム全土
      2. 第2節 少数民族教育
    7. 第7章 宗教・信仰
      1. 第1節 伝統宗教
      2. 第2節 北部少数民族の儀礼・宗教
      3. 第3節 メコンデルタの信仰祭祀
    8. 第8章 民族分類
      1. 第1節 民族概説書
      2. 第2節 民族政策と民族分類の関係に関する論文
      3. 第3節 ベトナムにおける民族の実体性の検討
    9. 第9章 言語・文字
      1. 第1節 ベトナム北部の文字継承の概況
      2. 第2節 民族語の言語音表記の試み
    10. 第10章 北部
      1. 第1節 北部キン族
      2. 第2節 北部村落社会
    11. 第11章 南部
      1. 第1節 南部キン族
      2. 第2節 南部村落社会
    12. 第12章 西北民族誌
      1. 第1節 民族誌的研究
      2. 第2節 歴史的文献研究
    13. 第13章 中部
      1. 第1節 中部高原民族誌
      2. 第2節 チャンパ、チャム
      3. 第3節 チャンパ、チャムに関する欧米の研究
    14. 第14章 華僑・華人
      1. 第1節 南部
      2. 第2節 北部
      3. 第3節 中部
  4. 第2部 文献解題
    1. A~Z
  5. 第3部 付録
    1. 引用誌名一覧
    2. 民族名対照表
    3. 索引
  6. あとがき

コメント

ぱらぱらページをめくっただけで、これを作成するのに費やされたであろう時間と労力の膨大さに気が遠くなります。文字通りの労作です。

とても親切な本なので、これで若い連中が手を抜くのではないかと心配になってくるほど。

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2009/08/04 新規

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桃木至朗(編)『海域アジア史研究入門』

出版情報

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編集桃木至朗
編集委員桃木至朗、山内晋次、藤田加代子、蓮田隆志
出版社岩波書店
出版年2008
ISBN978-4-00-022484-0
価格¥2800(2008年)

内容

海のアジアについて、史学雑誌の「回顧と展望」を質量共にもっと深いレベルに落とし込んだタイプの概説書。

時系列に著者を割り振り、そこで割り振れなかったテーマについては個別に章を割いている構成で、著者らは主立ったテーマに沿って代表的な資料や業績を紹介つつ、解明と未解明のテーマを整理し、2008年時点でいかなる展望が描けるかを提示している。

目次

  1. 総説[桃木至朗/山内晋次/藤田加代子/蓮田隆志]
  2. 第1篇 通時的パースペクティブ
    1. 第I部 中世〈9 世紀―14 世紀前半〉
      1. 第1章 中国人の海上進出と海上帝国としての中国[榎本渉]
      2. 第2章 モンゴル帝国と海域アジア[四日市康博]
      3. 第3章 宋元代の海域東南アジア[深見純生]
      4. 第4章 日本列島と海域世界[山内晋次]
    2. 近世前期〈14世紀後半―17世紀初頭〉
      1. 第5章 明朝の国際システムと海域世界[岡本弘道]
      2. 第6章 琉球王国の形成と展開[上里隆史]
      3. 第7章 日明の外交と貿易[伊藤幸司]
      4. 第8章 日朝多元関係の展開[関周一]
      5. 第9章 倭寇論のゆくえ[橋本雄/米谷均]
      6. 第10章 「交易の時代」の東・東南アジア[中島楽章、桃木至朗]
      7. 第11章 ヨーロッパ勢力の台頭と日本人のアジア進出[岡美穂子]
    3. 近世後期〈17世紀中葉―19世紀初頭〉
      1. 第12章 経済史から見た近世後期の海域アジア[藤田加代子]
      2. 第13章 近世後期東アジアの通交管理と国際秩序[渡辺美季/杉山清彦]
      3. 第14章 蝦夷地と琉球 ―― 近世日本の2つの口[谷本晃久/深澤秋人]
      4. 第15章 東南アジアの「プロト国民国家」形成[蓮田隆志]
      5. 第16章 18世紀の東南アジアと世界経済[太田淳]
      6. 第17章 近世から近代へ ―― 近世後期の世界システム[秋田茂]
  3. 第2篇 各論
    1. 第18章 海陸の互市貿易と国家 ―― 宋元時代を中心として[佐藤貴保/向正樹]
    2. 第19章 港市社会論 ―― 長崎と広州[川口洋平/村尾進]
    3. 第20章 貿易陶磁[坂井隆]
    4. 第21章 海産物交易 ―― 「竜涎香」をめぐって[真栄平房昭]
    5. 第22章 造船技術 ―― 列島の木造船,終焉期のけしき[出口晶子]
    6. 第23章 航海神 ―― 媽祖を中心とする東北アジアの神々[藤田明良]
    7. 第24章 漂流,漂流記,海難[劉序楓]
    8. 第25章 海域アジア史のための東アジア文献史料[渡辺佳成/飯岡直子]
  4. 和・中・韓文 文献目録
  5. 欧文 文献目録
  6. 編者あとがき
  7. 執筆者一覧

コメント

海に関係するテーマに興味のある人は必読。

簡単に内容を紹介していますが、執筆にものすごく手間暇がかかるタイプの本だと思います。

目次もCSSでコントロールし辛いタイプで、割り切ってタグ付けしました。

更新履歴

2008/05/31 新規

新規作成しました。

西川寛生『ベトナム人名人物事典』

出版情報

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著者・訳者西川寛生
出版社暁印書館
出版年2000
ISBN4-87015-137-5
価格¥4800(2000年)

原著

存在するらしいが氏名は明らかにされていない。「刊行によせて」によると、ヴェトナム戦争期にフエに住んでいた歴史学者であるとのこと。

内容

日本語で出版されている中では最大のヴェトナム史人物事典。伝説上の人物から近代史に至るまでの600人を越える人物が収録されている。

原著者の歴史観による人選漏れ(特に莫朝関係)や歴史的事実の記述ミスが多々見られ、資料としての精度は落ちる。

コメント

ぶっちゃけ誤りが非常に多く、歴史資料としての価値は相当低い本です。

どちらかといえば、この原著を書いた人物の価値観をうかがうには興味深い本。

更新履歴

2008/01/05 更新

アフィリエイト対応。

2007/08/24 更新

コメント(というより警告)を追記しました。

2007/04/12 更新

リニューアルに伴い、データをコンバートしました。

山本達郎他(編)『岩波講座 東南アジア史』別巻

出版情報

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副題東南アジア史研究案内
編者池端雪浦、石井米雄、石澤良昭、家納啓良、後藤乾一、斎藤照子、桜井由躬雄、末廣昭、山本達郎
編集協力早瀬晋三、桃木至朗
出版社岩波書店
出版年2003
ISBN4-00-011069-1
価格¥5400(2003年)

内容

別巻では、各テーマについて「注目の一冊」を選び、その書籍・論文が書かれた意義、それまでの研究史、関連テーマ・関連書などを挙げてゆく独特の構成が採用された。また、「原史料と文書館」では重要な原史料・工具書の出版状況、各国の文書館利用状況等が述べられている。

なお、8巻に収録されるはずだった論文一編も収録されている。

目次

  • 東南アジア史研究の過去・現在・未来[桃木至朗]
  1. 東南アジア史・注目の1冊
    1. 金属器の編年問題[山形眞理子]
    2. 美術・建築史の現在[重枝豊]
    3. 東南アジア的王権論[桃木至朗]
    4. カンボジア碑文研究の革新[北川香子]
    5. 図像学で解くジャワ古代史[青山亨]
    6. 「ビルマ史」の見直し[渡辺佳成]
    7. 考古学とベトナム陶磁史[西村昌也・西野範子]
    8. 大陸部近世のプロト国民国家形成[岩城高広]
    9. 近世史のジェンダー化[小泉順子]
    10. 海域東南アジア東部の歴史[早瀬晋三]
    11. 近世ジャワ宮廷の文化世界[深見純生]
    12. 「交易の時代」以後の東南アジアと朝鮮[桃木至朗]
    13. アヘン貿易と資本主義世界経済[菅谷成子]
    14. 日本におけるアジア交易圏論[大橋厚子]
    15. シンガポールの買売春社会史[早瀬晋三]
    16. NaionとGeo-body[飯島明子]
    17. フィリピン革命史論争[永野善子]
    18. 描き直されるビルマの1950年代[根本敬]
    19. 現代東南アジア経済論[末廣昭]
    20. 現代東南アジア政治論[鳥居高]
    21. 地域研究と村落調査[柳澤雅之]
  2. 原史料と文書館
    1. 金石文[深見純生]
    2. ベトナム史料[八尾隆生・岡田建志]
    3. カンボジア年代記[北川香子]
    4. タム文字史料[加藤久美子]
    5. タイ語史料(前現代)[小泉順子]
    6. タイ語史料(近現代)[村嶋英治]
    7. ビルマ史料[伊東利勝]
    8. ムラユ語史料[西尾寛治]
    9. ジャワ語(およびバリ語)史料[青山亨]
    10. フィリピン史料[菅谷成子]
    11. 漢籍[渡辺佳成]
    12. ヨーロッパ語史料[早瀬晋三]
    13. アジア歴史資料センター[石井米雄・牟田昌平]
  3. 索引
    1. 人名索引
    2. 地名・国名索引
  • 東南アジア史 第8巻 第I部 追加論文
    • マラヤにおける日本軍政と食糧施策[蔡史君]
  • 総目次

付録:月報 別巻

  • 刊行を終えるにあたって[編集部]
  • 正誤表
  • 月報総目次

コメント

東南アジア史研究をはじめるにあたってメルクマールとなる著書を挙げるという、ユニークな試みが目を引きます。

更新履歴

2008/01/05 更新

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2007/06/14 更新

副題を間違えていたので修正しました。

2007/04/21 更新

リニューアルに伴い、データをコンバートしました。

片倉穣(編)『大越史略索引』

出版情報

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編集片倉穣
出版社渓水社
出版年1989
ISBN4-87440-218-6
価格¥8240(1989年)

内容

大越史略』の索引。工具書の一つ。

底本は陳荊和『校合本 大越史略』(創価大学アジア研究所、1987年)に拠っている。

コメント

なかなか無い越南史料の工具書。私が目撃した書籍は、これと『大南寔録』くらいしかない(雑誌に掲載されたものは、このほかにもある)。

更新履歴

2008/01/05 更新

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2007/04/29 更新

リニューアルに伴い、データをコンバートしました。

古代史研究会(後藤均平)『東洋文庫藏 越南本書目』

出版情報

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著者古代史研究会(後藤均平)
出版社財団法人 東洋文庫
出版年1999
ISBN4-8097-0169-7
価格¥1100(1999年)

内容

財団法人東洋文庫に所蔵されているヴェトナム史料、所謂「漢喃本」の目録。序、凡例、越南本書目、越南本(写真本)目録、索引よりなる。

越南本書目は1934年東洋文庫に寄贈された永田安吉氏旧蔵本、およびそれ以後の収蔵本がリストアップされ、越南本(写真本)目録にはフランス遠東学院とヴェトナムからのマイクロフィルム本が載せられている。

コメント

いちいち東洋文庫の閲覧室でカードを検索するよりも、あらかじめこの本で閲覧したい史料を探しておくと便利。

更新履歴

2008/01/05 更新

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2007/04/29 更新

リニューアルに伴い、データをコンバートしました。

石井米雄(監修)『ベトナムの事典』

出版情報

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シリーズ東南アジアを知るシリーズ
監修石井米雄
編集委員桜井由躬雄、桃木至朗
出版社同朋舎(発行)
発売角川書店
出版年1997
ISBN4-8104-2550-9
価格¥9500(1999年時点)

内容

ヴェトナム各分野の研究者が結集して編纂された事典。

ヴェトナムの歴史・経済・人物から、国歌の楽譜・食生活・映画情報まで、思いつく限りの項目は網羅されている。

コメント

歴史に関して言えば、何か分からないときは記述の古い『アジア歴史事典』(平凡社)より、ここから調べると良いです。調べている項目の執筆者から、その人の論文を図書館で検索するなどしてください(基本なのは言うまでもないことですが)。

とても役に立つけれども、一万円弱とかなり高価

更新履歴

2008/01/05 更新

アフィリエイト対応。

2007/03/31 更新

リニューアルに伴い、データをコンバートしました。