G. セデス『東南アジア文化史』

出版情報

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著者G. セデス
訳者山本智教
出版社大蔵出版
出版年1989
ISBN4-8043-1056-8
価格¥5000(2002年)

原著

Les états hindouisés d'Indochine et d'Indonésie, George Coedès, 1948

内容

フランス東洋学の大家として知られたジョルジュ・セデスの代表的著作の一つ。セデスの重要な業績である碑文研究や、当時の考古学の成果を取り入れて前近代の東南アジア史を概括した最初の文献である。

序文によると、元々は別の歴史叢書でのインド史パートを補完すべく執筆されたという。また、完全な一般向けの書籍ではなく、関連諸分野の研究者を購読者層として書かれているため、当時の議論を積極的に紹介しているのも特徴。

残念なことに、一般向けに翻訳されるにあたって、注釈が全て削られてしまっている。

コメント

インド化された文化圏の通史のはずが、邦題で「文化史」となったためタイトルと内容に齟齬がある本です。

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2007/02/03 新規作成

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桜井由躬雄『前近代の東南アジア』

出版情報

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著者桜井由躬雄
発行放送大学教育振興会
発売日本放送出版協会
出版年2006
ISBN4-945-30646-6
価格¥3000(2006年)

内容

放送大学のテキストとして執筆された、植民地期あたりまでの前近代東南アジア概説。同じ著者による『東南アジアの歴史』と同じく、人物史を廃した描写が特徴であるが、近代以前にテーマを絞っている。

コメント

うっかり2冊買ってしまってどうしましょう?という本です‥‥。

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2007/01/12 新規作成

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石井米雄、桜井由躬雄『東南アジア世界の形成』

出版情報

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シリーズ《ビジュアル版》世界の歴史 12
著者石井米雄、桜井由躬雄
出版社講談社
出版年1985
ISBN4-06-188512-X
価格¥2136(1997年)

内容

講談社「《ビジュアル版》世界の歴史」の1冊として刊行された。東南アジア史の概説である。このシリーズの特色でもあるが、図版や地図の多用が行われている。

また、「国家」という概念の制約を脱するべく、東南アジアで成立した各種政体の呼称(ヌガラ、プラ等)を使用するという試みを行っている。

コメント

概説書といいながら、非常に実験的な色合いの濃い本だと思います。

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2008/01/05 更新

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2007/05/03 新規作成

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石澤良昭、生田滋『東南アジアの伝統と発展』

出版情報

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シリーズ世界の歴史 13
著者石澤良昭、生田滋
出版社中央公論社
出版年1998、2009(中公文庫)
ISBN4-12-403413-X、978-4-12-205221-5(中公文庫)
価格¥2524(1998年)、¥2000(2009年)

内容

中央公論社版「世界の歴史」の1冊として刊行された。近代以前の東南アジア史についての概説である。カラー図版や地図が多く掲載されているのが特徴。

コメント

個人的には、高校から大学の一般教養レベルを目指して書かれたような印象です。

2009年の文庫版あとがきには、本文の補遺がなされている。

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2010/04/17 更新

文庫化の情報を記述。

2008/01/05 更新

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2007/04/30 更新

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ジョルジュ・セデス『インドシナ文明史』(第2版)

出版情報

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著者ジョルジュ・セデス
訳者辛島昇、桜井由躬雄、内田晶子
出版社みすず書房
出版年1980
価格¥2200(1980年)

原著

Les Peuples de la Péninsule Indochinoise, George Cœdès, Dunod Paris, 1962

内容

王朝史的な古いタイプの東南アジア史の中では最も著名な、長らく東南アジア史学会を規定した“インド化”論による代表的著作。

コメント

いろいろと批判もありますが、よくまとまっていると思います。“インド化”論は、やや著者自身が考えているより、一人歩きしてしまった印象がありますね。

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2008/01/05 更新

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2007/04/29 更新

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桜井由躬雄『東南アジアの歴史』

出版情報

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シリーズ放送大学教材 85411-1-0211
著者桜井由躬雄
発行放送大学教育振興会
発売日本放送出版協会
出版年2002
ISBN4-595-11379-X
価格¥4200(2002年)

内容

放送大学のテキストとして執筆された。

近現代史の記述が半分以上を占めている。近代以前の記述では人物史を限界まで廃し、社会・経済史を中心に据えるという特徴がある。

コメント

東南アジア社会の変遷に主眼をおいた著述で、細かい制度史・思想史や人物史はざっくりとだけ紹介し、社会史・経済史の記述を充実させている。それでも面白いのは、論文・事典からエッセイまでこなせる著者の筆力でしょう。

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2007/04/29 更新

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アンソニー・リード『大航海時代の東南アジア Ⅱ』

出版情報

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副題拡張と危機
シリーズ叢書・ウニベルシタス 571
著者アンソニー・リード
訳者平野秀秋、田中優子
出版社法政大学出版局
出版年2002
ISBN4-588-00571-5
価格¥4200(2002年)

原著

Southeast Asia in the Age of Commerce 1450-1680 Volume Two: Expansion and Crisis, Anthony Reid, Yale University Press, 1993

内容

『大航海時代の東南アジア Ⅰ』の第2部。

経済の拡張、政治と商業との関係の変容、そして貿易を政治権力によって統制する専制国家の発生を論じている。また、キリスト教・イスラームによる東南アジア諸地域の心性への影響を重視した論述となっている。

以上両者による相互作用の結果として、思想的・経済的多様性が排除されてゆく過程を示すことが著者の主張である。

コメント

相変わらず面白いです。もちろん、彼の視点は決定的という訳ではありません。現在15世紀から17世紀という時代に関して、様々なアプローチがなされています。

ヨーロッパ勢力も登場しますが、あくまで東南アジアで活躍した勢力のいくつかとしてのスタンスとなっています。

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2008/01/05 更新

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2007/04/29 更新

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坪井善明(監修)『躍動アジア ヴェトナム』

出版情報

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監修坪井善明
発行アジア文化交流協会
出版年1997
ISBN-
価格¥22000(1997年)

内容

ヴェトナムの地理・歴史について、豊富な写真と図版で丁寧に記述した本。

特に、歴史部分の記述は、ハ・ヴァン・タン氏が1990年から1992年にかけてハノイの英字新聞に連載した歴史論文“The Making of Vietnam”の抄訳を掲載している(翻訳は坪井善明)。

コメント

でかくて重い本その二。全体的に「ヴェトナムってどんな国 ?」的な体裁で、学校の参考書の棚に並んでいるのがふさわしい本です。とはいえ、ついつい買ってしまったりするのですが‥‥。ハ・ヴァン・タン論文は取っつき易いのでお薦め。

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2008/01/05 更新

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2007/04/29 更新

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アンソニー・リード『大航海時代の東南アジア Ⅰ』

出版情報

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副題貿易風の下で
シリーズ叢書・ウニベルシタス 570
著者アンソニー・リード
訳者平野秀秋、田中優子
出版社法政大学出版局
出版年1997
ISBN4-588-09902-7
価格¥4500(2002年)

原著

Southeast Asia in the Age of Commerce 1450-1680 Volume One: The Lands below the Winds, Anthony Reid, Yale University Press, 1988

内容

東南アジア史の名著とされる。ブローデルの『地中海』にインスパイアされた著作で、地理、生活史、基層文化の記述がこの巻に割り当てられている。

東南アジアに植民地主義が浸出してくるまでの間、16世紀の東南アジアには現代とはまったく違う世界が広がっていた。動的な人間関係、人を殺さない戦争、豊かな生活、女性に支えられた経済活動など現代の常識を覆すヴィジョンが示される。そんな16世紀東南アジアの生活を項目ごとに章立てした本。

なお、2002年の『大航海時代の東南アジア Ⅱ』の発行に伴って、新装版が発行されている。

コメント

こういうものを読んでいると欧米の豊かな史料群が本当に羨ましくなります。

初学者が読むことを前提に翻訳されているので、平易な文で読みやすいです。興味のある項目から読み始めると良いでしょう。

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2008/01/05 更新

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2007/04/21 更新

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桜井由躬雄、石澤良昭、桐山昇『東南アジア』

出版情報

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シリーズ地域からの世界史 4
著者桜井由躬雄、石澤良昭、桐山昇
出版社朝日新聞社
出版年1993
ISBN4-02-258499-8
価格¥1600(1997年)

内容

世紀を単位として、最小限のページ数に大陸・海域双方の東南アジア史を概説する。近世以降に重点が置かれ、写真や図版が数多く挿入されている。

巻末の文献案内、索引、年表、地図が読者の利便性を考えたつくりになっている。例えば文献案内には“入門書、一般書、専門書”と案内がつき、人名地名索引にはローマ字表記が併記されている。

コメント

山川『東南アジア史』が大陸編・島嶼編と二分割された事実が物語っているように、元々五大陸並の面積を持つ東南アジア世界史は概説といえども膨大な量にならざるを得ません。この本でも、地域としての東南アジアを敷衍するには厳しい頁数だったようで、無理矢理詰め込んだ観のある一冊。海と陸との相互交流について論じ切れておらず、また、第二次世界大戦後の現代史がやや弱いのが難点。逆に言えばよくここまでシンプルにまとめたものと感動します。記述部の取捨選択が巧い。

教科書的な文のため、飽きっぽい人やドラマを求める人にはお薦めできません。高校・大学一般教養のレポート向けでしょう。

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2008/01/05 更新

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2007/04/21 更新

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レイ・タン・コイ『東南アジア史』(増補新版)

出版情報

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シリーズ文庫クセジュ 826
著者レイ・タン・コイ
訳者石沢良昭
出版社白水社
出版年2000
ISBN4-560-05471-1
価格¥951(2000年)

原著

Histoire de l'Asie du Sud-Est, Lê Thành Khôi, Presses Universitaires de France, 1967

内容

旧版の出版された30年前からの東南アジア史研究の進展を取り込み、王朝史・事件史よりも自然・経済・地域間の交流をより重視した内容となっている。巻末の文献目録も充実。

コメント

近年出版されて、内容・分量ともアップしました。これもハンドブックとして便利です。

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2008/01/05 更新

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2007/04/02 更新

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レイ・タン・コイ『東南アジア史』

出版情報

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シリーズ文庫クセジュ
著者レイ・タン・コイ
訳者石沢良昭
出版社白水社
出版年1970
ISBN4-560-05826-1
価格¥980(1994年)

原著

Histoire de l'Asie du Sud-Est, Lê Thành Khôi, Presses Universitaires de France, 1967

内容

東南アジア史概説としては申し分ない内容なのだが、いかんせん昔の本なので、概念やモデルの古い印象が拭えない。

コメント

珍しい新書の東南アジア史概説書。

内容を刷新した増補新版が出ています。

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2008/01/05 更新

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2007/04/02 更新

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松本信広『ベトナム民族小史』

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シリーズ岩波新書 715
著者松本信広
出版社岩波書店
出版年1969
価格¥150(1969年)
補記現在は古書として時価で流通している。価格はまちまち。

内容

伝説からヴェトナム戦争までの歴史を、漢字文献を中心として簡潔にまとめている概説書。

1969年出版という古い本であるため、歴史としての記述は1945年の独立宣言までとし、最後の一章で当時進行中であったインドシナ問題に対する著者の所感を割り当てている。

コメント

今読むと本当に古い印象。とはいえ、手堅く基本史料を使って記述しているので案外的はずれが無く、岩波新書ということもあって読み易さ、取っつき易さから言うとこの本に勝るものはない。

絶版だそうで、とにかく手に入らないです。古本屋でも滅多に置いていないので、昔ベトナム反戦運動をしていた親戚の家あたりを探すのが一番手っ取り早い方法でしょう(笑)。

ちなみに、1993年にアンコール復刊したようです。このバージョンも大して流通していないようですが。

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2008/01/05 更新

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2007/04/02 更新

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桃木至朗『歴史世界としての東南アジア』

出版情報

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シリーズ世界史リブレット 12
著者桃木至朗
出版社山川出版社
出版年1996
ISBN4-634-34120-4
価格¥750(1996年)

内容

東南アジア史学が抱えている問題点や、東南アジアを歴史世界として捉える際の歴史的枠組みを簡便に解説した読みもの。薄い本だが、情報がコンパクトに収まっている。

コメント

これから東南アジアの歴史に踏み込もうとする人が読んでおくべき本でしょう。ただし、ある程度史学史の素養が必要かもしれない。

更新履歴

2010/05/21 更新

文章が崩壊していたので修正。

2008/01/05 更新

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2007/03/31 更新

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石井米雄、桜井由躬雄(編)『東南アジア史 Ⅰ』

出版情報

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副題大陸部
シリーズ新版各国世界史 5
編集石井米雄、桜井由躬雄
出版社山川出版社
出版年1997
ISBN4-634-41350-7
価格¥3700(1999年)

内容

古代から現代までの東南アジア大陸部のトータルな歴史を自然環境の視点から説き起こし、社会構造の変化や地域間関係に注目するスタンダードな記述で、1990年代までの研究の集大成といった趣がある。

近年の東南アジア史関係の本のパターンに則って、自然環境の概説が序論に付される。

コメント

比較的読み易いので、歴史好きだが東南アジア史は始めてというタイプの初学者には最適でしょう。

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2008/01/05 更新

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2007/03/31 更新

リニューアルに伴い、データをコンバートしました。出版情報を思いっきり間違えていたので修正しています。

小倉貞男『物語 ヴェトナムの歴史』

出版情報

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副題一億人国家のダイナミズム
シリーズ中公新書 1372
著者小倉貞男
出版社中央公論社
出版年1997
ISBN4-12-101372-7
価格¥900(1997年)

内容

現在、一番手に入りやすい本。

人物を中心に据えたヴェトナム概説書。「物語」と銘打つわりに社会経済、文化等にも気を配っている。

コメント

日本人の初心者向けとはちょっと思えません。

“表向きマルクス主義歴史学と民族主義、実は更にもっといろいろな歴史学を混合”しているヴェトナムの研究を主に参照しているので、日本のヴェトナム研究とは意見が食い違っている箇所や、史料の出典が分からないために読みに疑問が湧いても確認しようがない箇所もあります。

悪い本でも、トンデモでもありません。じっくり他の資料と見比べながら読まなくてはならない厄介な本というだけです。

更新履歴

2008/01/05 更新

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2007/07/28 更新

出版社名を「中央公論新社」から「中央公論社」に修正。

2007/03/31 更新

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