小泉順子『歴史叙述とナショナリズム』
出版情報
副題 | タイ近代史批判序説 |
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著者 | 小泉順子 |
出版社 | 東京大学出版会 |
出版年 | 2006 |
ISBN | 4-13-026126-6 |
価格 | ¥6200(2006年) |
内容
タイ近現代史に関する論文集。副題通りに、歴史・国土・社会を“かくあるべき”姿へと造りあげた国家タイの変容プロセスをテーマごとに解析した論考が中心。史料における“史実”の恣意的な創造については、ただ批判するのではなく、その人物の立場や時代を考慮して、何故そのような作為がなされたのかという視点から考察している。
また、アンナ・レオノーウェンスの再評価や、タイシルクの“伝統”形成など、広い範囲に渡って題材を選んでいる。
コメント
目的のために過去の記述を変えたりする行為を“かくあるべき”化としてしまいましたが、若干乱暴な比喩かもしれません。
それにしても、この本はもっと読まれてもいいと思う。ググってもなかなか書評が出てこない‥‥。
更新履歴
2008/03/09 新規
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笹川秀夫『アンコールの近代』
出版情報
副題 | 植民地カンボジアにおける文化と政治 |
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著者 | 笹川秀夫 |
出版社 | 中央公論新社 |
出版年 | 2006 |
ISBN | 4-12-003746-0 |
価格 | ¥7000(2006年) |
内容
植民地期以後のカンボジアの文化芸能、政治、歴史教育、ナショナリズム等の観点から網羅的にアンコール遺跡の受容史、ひいてはアンコール遺跡の政治性を叙述した著作。著者の博士論文に加筆・修正を行ったもの。
植民地時代のフランス東洋学の影響はもちろん、周囲の国家(特に、アンコール遺跡を領有していた過去を持つタイ)との関わりも重視している。
コメント
2006年はカンボジア、タイの近現代史についての著作が豊作でした。本書はその1冊。
更新履歴
2008/03/02 新規
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