『安南志略』

表記

漢字名安南志略
音読みあんなんしりゃく
Quốc ngữAn Nam Chi Lược

強引にカタカナ表記すると「アンナームチルォック」となる。

内容

現存するヴェトナム人による最古の歴史書。20巻。

内容として、地理・歴史・風俗・制度・物産・詩文等、多岐に渡るが、あくまで大元の立場で叙述を行っている。李陳期の主な史料の一つ。

著者は黎崱

成立

『安南志略』の執筆については1307年に第一稿を終え、加筆訂正後1340年頃完成したと考えられている。

版本

1884年(日本・明治17、大南・建福元、清・光緒10)、岸田吟香が上海楽善堂より活字本を刊行。これに誤脱が多かったため、1961年、順化大学・越南史料編輯委員会が校訂し、ヴェトナム翻音と現代ヴェトナム語訳を加えた“An-Nam Chi-Lược”を出版している。

1979年、上海古籍書店より刊行されているが、これは版本の出来(しゅったい)が不明。

1995年、中華書局より中外交通史籍叢刊の一部として、楽善堂本と上海古籍本に独自の校訂を加えたものが出版されている。2000年には『海外紀事』と合本して再版された。

参考文献

  • 武尚清(点校)、『安南志略』、中外交通史籍叢刊、中華書局、1995・2000
  • 山本達郎(編)、『ベトナム中国関係史』、山川出版社、1975

コメント

この書の巻九に“朝衡”なんて日本人が紹介されています。そう、阿倍仲麻呂です。

更新履歴

2007/03/31 更新

リニューアルに伴い、データをコンバートしました。ついでに少々書き換えました。