文献紹介
ヴェトナムの歴史および東南アジア史に関する書籍のリストです。タイトルをクリックすると出版情報や内容紹介が表示されます。
日本語文献
日本の東南アジア研究は乱暴に言うと、だいたい年代によって3つに傾向に分かれます。大体の年代ごとに、出版年を昇順(新しいものから)に並べました。
1990年代以降
考古学、文化人類学、民族学、言語学など、関係する諸分野の研究が進み、その成果を積極的に取り入れた研究スタイルが一般書レベルにまで普及する。
1980年代に始まった既存研究への批判や再評価の動きを受けて、1990年代にも新しい視点や概念の提示など、意欲的な研究が行われる。その集大成として『岩波講座 東南アジア史』の刊行が行われた。
2010年代
- 『中世大越国家の成立と変容』 桃木至朗、2011
- 『ベトナムの考古・古代学』 西村昌也、2011
2000年代
- 『黎初ヴェトナムの政治と社会』 八尾隆生、2009
- 『東南アジア 多文明世界の発見』 石澤良昭、2009
- 『東南アジア史研究の展開』 東南アジア学会、2009
- 『中国とベトナム山地民族の世界』 李金叶、2009
- 『ドイモイの誕生』 古田元夫、2009
- 『朝鮮とベトナム 日本とアジア』 片倉穰、2008
- 『民族という政治』 伊藤正子、2008
- 『ヴェトナム ― 変化する医療と儀礼』 板垣明美(編)、2008
- 『ベトナムの皇帝陶磁』 関千里、2008
- 『アンコール・ワット』 ブリュノ・ダジャンス、2008
- 『東南アジアの農村社会』 斎藤照子、2008
- 『ベトナムの少数民族定住政策史』 新江利彦、2007
- 『東南アジア年代記の世界』 樫永真佐夫、2007
- 『建築のハノイ』 増田彰久(写真)・大田省一(文)、2006
- 『カンボジア史再考』 北川香子、2006
- 『歴史叙述とナショナリズム』 小泉順子、2006
- 『アンコールの近代』 笹川秀夫、2006
- 『前近代の東南アジア』 桜井由躬雄、2006
- 『ベトナム戦争の「戦後」』 中野亜里、2005
- 『エスニシティ〈創生〉と国民国家ベトナム』 伊藤正子、2003
- 『大航海時代の東南アジア Ⅱ』 アンソニー・リード、2002
- 『東南アジアの歴史』 桜井由躬雄、2002
- 『近世日越交流史』 櫻井清彦、菊池誠一(編)、2002
- 岩波講座 東南アジア史、2001‐2003
- 『岩波講座 東南アジア史』1巻 山本達郎他(編)、2001
- 『岩波講座 東南アジア史』2巻 山本達郎他(編)、2001
- 『岩波講座 東南アジア史』3巻 山本達郎他(編)、2001
- 『岩波講座 東南アジア史』4巻 山本達郎他(編)、2001
- 『岩波講座 東南アジア史』5巻 山本達郎他(編)、2001
- 『岩波講座 東南アジア史』6巻 山本達郎他(編)、2001
- 『岩波講座 東南アジア史』7巻 山本達郎他(編)、2002
- 『岩波講座 東南アジア史』8巻 山本達郎他(編)、2002
- 『岩波講座 東南アジア史』9巻 山本達郎他(編)、2002
- 『岩波講座 東南アジア史』別巻 山本達郎他(編)、2003
- 『ベトナム語 はじめの一歩まえ』 冨田健次、2001
- 『ヴェトナム少数民族の神話』 チャンヴェトキーン、2000
- 『珠玉の東南アジア美術』 五島美術館、2000
- 『東南アジア史』(増補新版) レイ・タン・コイ、2000
1990年代
- 『チャンパ』 桃木至朗、樋口英夫、重枝豊、1999
- 『東南アジアの伝統と発展』 石澤良昭、生田滋、1998(2009 文庫化)
- 『躍動アジア ヴェトナム』 坪井善明(監修)、1997
- 『ベトナム青花』 町田市立博物館、1997
- 『大航海時代の東南アジア Ⅰ』 アンソニー・リード、1997
- 『東南アジア史 Ⅰ』 石井米雄、桜井由躬雄(編)、1997
- 『物語 ヴェトナムの歴史』 小倉貞男、1997
- 『華南民族史研究』 谷口房男、1996
- 『金雲翹』 阮攸、1996
- 『中国・南越王の至宝』 古代オリエント博物館、1996
- 『歴史世界としての東南アジア』 桃木至朗、1996
- 『ベトナムの世界史』 古田元夫、1995
- 『チャンパ王国の遺跡と文化』 チャンパ王国の遺跡と文化展実行委員会、1994
- 『ジャングル・クルーズにうってつけの日』(文庫版) 生井英考、1993
- 『東南アジア』 桜井由躬雄、石澤良昭、桐山昇、1993
- 『アジアの龍蛇』 アジア民族造形文化研究所(編)、1992
- 『歴史としてのベトナム戦争』 古田元夫、1991
- 『近代ヴェトナム政治社会史』 坪井善明、1991
- 『インドシナ半島の陶磁』 長谷部楽爾(編)、1990
- 『ベトナム銅鼓図録』 ベトナム考古研究所、ベトナム社会科学委員会国際協力部(編)、1990
1980年代まで
第二次世界大戦以前は「東南アジア」という概念さえまだ生まれておらず、世界的にその地域に関する研究は植民地支配と深く結びついていた。日本では主に、豊富な漢文の素養を生かして中国文献に依拠した研究が行われた。
1945年以降から1970年代は、東南アジアの民族運動が社会で大きく注目されたが一時的なブームに留まることが多く、時代によって研究の多寡の差が激しい。引き続き、文献に依拠した研究が行われているが、漢字文献以外のソースや地理データも使用されるようになる。
1980年代に入り、現地語や複数の言語を駆使した研究が多数を占めるようになり、複眼的な視点をもつことが研究に要請されはじめる。また、それまでの研究について再評価または批判の動きが目立ってくる。
- 『東南アジア文化史』 G. セデス、1989
- 『校合本 大越史略』 陳荊和(編校)、1987
- 『東南アジア世界の形成』 石井米雄、桜井由躬雄、1985
- 『金雲翹新伝』 阮攸、1985
- 校合本 大越史記全書、1984‐1986
- 『校合本 大越史記全書 上』 陳荊和(編校)、1984
- 『校合本 大越史記全書 中』 陳荊和(編校)、1985
- 『校合本 大越史記全書 下』 陳荊和(編校)、1986
- 『漢民族華南発展史研究』 河原正博、1984
- 『インドシナ文明史』(第2版) ジョルジュ・セデス、1980
- 『ベトナム中国関係史』 山本達郎(編)、1975
- 『東南アジア史』 レイ・タン・コイ、1970
- 『ベトナム民族小史』 松本信広、1969
- 『ベトナムの詩と歴史』 川本邦衛、1967
- 『安南史研究 Ⅰ』 山本達郎、1950
外国語書籍
英語、中国語、ヴェトナム語の書籍です。特に独立後のヴェトナムは台湾との友好関係を築いており、台湾で出版されたものが比較的多いのが特徴。
- The Tây Sơn Uprising G. Dutton、2006
- Beyond the Bronze Pillars L. C. Kelley、2005
- Water Frontier N. Cooke and Li Tana(ed)、2004
- Southeast Asia in the Early Modern Era A. Reid(ed)、1993
- Vietnam and the Chinese Model A. B. Woodside、1988
- The Birth of Vietnam K. W. Taylor、1983
雑誌
雑誌です。学術雑誌も、一般向け雑誌も全てここです。
- 『ベトナムの社会と文化』7号 2007
- 『ベトナムの社会と文化』5・6合併号 2005
- 『ベトナムの社会と文化』4号 2003
- 『ベトナムの社会と文化』3号 2001
- 『ベトナムの社会と文化』2号 2000
- 『ベトナムの社会と文化』1号 1999
- 『しにか』1997年 No.8 1997
- 『SD』9603 1996
辞書、事典、工具類
工具とは研究に必要な索引や書目等を指します。
- 『ベトナム文化人類学文献解題』 末成道男(編)、2009
- 『[新版]東南アジアを知る事典』 桃木至朗(編)、2008
- 『海域アジア史研究入門』 桃木至朗(編)、2008
- 『ベトナム人名人物事典』 西川寛生、2000
- 『東洋文庫藏 越南本書目』 古代史研究会(後藤均平)、1999
- 『ベトナムの事典』 石井米雄(監修)、1997
- 『大越史略索引』 片倉穣、1989
コメント
国ごとにしなかったのは、現代の国境が意味をなさない本が殆どであるためです。
更新履歴
2014/05/11 更新
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2010/04/17 更新
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2009/11/29 更新
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なお、現在進行形で積読が増えて困っています。
2009/08/06 更新
『ベトナム文化人類学文献解題』を追加しました。また、ここ数年で入手した書籍をリストに加えています。
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